FileMakerでPDFを保存してみよう!便利な『PDFを挿入』スクリプトの使い方
お客様から届いた見積書や請求書、現場で撮影した報告書など、日々やり取りするPDFファイル。
「ファイルごとに管理がバラバラになってしまう…」「レコードごとにまとめて保存したい!」と感じたことはありませんか?
そんな時に便利なのが、 Claris FileMakerのスクリプトステップ 「PDFを挿入」 です。
この機能を使うことで、レコード単位でPDFファイルを一元管理することができ、後からの検索や確認がスムーズになります。
この記事では、「PDFを挿入」スクリプトの基本的な使い方から、実務での活用ポイントまでをわかりやすく解説します。
■ 基本構文
スクリプトステップ名はそのまま 「PDFを挿入」。
設定画面では次のようなオプションが用意されています。
- 参照のみを保存
- ソースファイルの指定
それぞれの違いを簡単に見てみましょう。
▶ 参照ありで保存する場合
- FileMakerはPDFファイルの「リンク情報」だけを保持します。
- 実際のPDFデータはパソコン上に残るため、データベース容量を抑えられます。
- ただし、元のPDFを移動・削除するとリンク切れが発生します。
▶ 参照なしで保存する場合
- PDFデータそのものをFileMaker内に格納します。
- ファイルを削除しても影響を受けませんが、データ容量は増えます。
このように、運用目的に応じて保存方法を選択することがポイントです。
また、「PDFを挿入」実行時には、あらかじめ挿入先のオブジェクトフィールドを選択状態にしておく必要があります。
スクリプトでは「フィールドへ移動」ステップを1行目に追加しておくと安心です。
■ 実務での活用シーン
PDFファイルの挿入方法は大きく2パターンあります。
① ソースファイルを直接指定する方法
スクリプト設定画面からファイルを選択し、そのまま挿入します。
ファイル名や場所が固定されている場合に適しています。
② 変数を使ってパスを指定する方法
より柔軟に運用するなら、変数(例:$path)を使った指定がおすすめです。
変数を設定 [ $path ; Get ( デスクトップパス ) & "pdf挿入テスト.pdf" ]
PDFを挿入 [ "オブジェクトフィールド" ; 参照なし ; "$path" ]
ここで注意すべきは、パス指定時にOSごとの接頭辞(スキーム)を加える必要がある点です。
- macOS →
image:mac: - Windows →
image:win: - 共通で使う場合 →
image:(相対パス)
たとえば、Macで「デスクトップ上のファイル」を指定する場合はimage:mac:/Users/ユーザー名/Desktop/ファイル名.pdf
のように記述します。
相対パス(image:)を使えば、MacとWindowsのどちらでも同じスクリプトを動かせるため、
複数環境で利用する場合におすすめです。
■ 動画で見る「PDFを挿入」スクリプトの動作
実際の動作を動画でもご紹介しています。
参照あり・なしの動作の違いや、パス指定のコツなどを実演していますので、ぜひご覧ください。
■ まとめ
FileMakerの「PDFを挿入」スクリプトを使えば、
レコード単位でPDFファイルを安全かつ効率的に保存できます。
- 保存方法(参照あり/なし)を正しく選ぶ
- パス指定時の「image:」ルールを理解する
- 運用環境(Mac/Windows)に合わせてスクリプトを調整する
これらを意識することで、FileMakerを使ったPDF管理が格段にスムーズになります。
日々の書類管理を効率化するために、ぜひ活用してみてください。
